舞台『Collar×Malice』-榎本峰雄編 終筆-

舞台『Collar×Malice』公演感想ブログ前編はこちらから

 

奇跡のような公演本番期間を経て
いまあるのは、ただただすべての皆様への感謝しかありません。

素晴らしい原作があって
原作を愛する皆様がいて
舞台版が岡崎契編からスタートし
こうして今回榎本峰雄編・笹塚尊編を上演することができた。

終わって2日間。
共演者の皆様のブログや配信も拝見しました。
大きな大人たちがみんなで「ロス」という言葉を発する姿をみて。

あ、みんな一緒なんだなって思わず口角があがると同時に心臓がきゅっとなる。
ほんとうに、カッコイイ座組でした
生きてきたご褒美のような美しい座組でした。

どれだけ全員から刺激を頂いたか。

配信が開始された舞台本編アーカイブをみて
メイン5人のストイックさ、キャラクター力、表現力に
はじめて客席目線でみさせて頂いて、改めて感嘆の息が漏れた。

無論、ほかのキャラクターたちもだ。

いつかみなさまにまたどこかで会えたときに
かっこよくありたいから。
胸張って会いたいから。

これからの人生を頑張ろうって思わせてくれる。
とか言いながら今はまだ、さびしいけれど笑。
これから先の未来への希望をくれる、幸せなロスだ。

同時期に2本の作品を上演するということは、
照明や音響、映像のきっかけ、舞台装置の転換も2作品分あるということ。
スタッフさんのすごさにも本当に頭が上がらない。

舞台に流れる映像の数々も本当に素敵で。
久保田さん(演出:久保田唱さん)が原作を理解し愛していて
脳内に明確な完成図があったからこそ
この短期間の稽古で完成することができたのだろうと思う。多謝。

前編ではみなさまのことを沢山書いたので
後編では自分のことを書こうかなと思う。

榎本さん。峰雄、先輩。峰雄さん。

舞台カラマリ。榎本峰雄と星野市香

なにから書こう?

たしか初日前夜、クローズドコミュニティのスレに
世界中全員を、峰雄推しにさせる気持ちでがんばる
と書いた。

だって峰雄さんが大好きなんだもん!!!!!!!!!

世界中全員が峰雄さんを好きになってほしかった。
そしてそれくらい
ゆったー(榎本峰雄役:飯山裕太くん)演じる榎本峰雄は素敵だった。

ニカッと笑う笑顔も。さびしそうな横顔も。
真面目になるとき優しくなる目も。すぐフリーズする姿も。
人柄が滲む声色も。
あったかい手も。

すべてが峰雄さんでした。

榎本峰雄という役にぶつかっていくゆったー自身がまた峰雄さんみたいで。
すごくかっこよかった。
その一筋の実直なまっすぐさで、わたしたち座組を導いてくれました。

わたしは、少しでも峰雄さんという人物の支えになれただろうか。

 

榎本峰雄編は、”榎本峰雄の物語“だなと思う。
対アドニスではもちろんあるのだが。
正義が歪んでしまうこと。愛が間違った方向にいってしまうこと。後輩をうらやましいと妬んでしまう感情。

自分たちにだって一歩となりにある感情。
とどまれなかった人たちと、乗り越えることができた峰雄との対比。

中にいるときは無我夢中だったけれど。
改めて物語を振り返ると、
藤井さんやHANA、緒方の悲しみに、誰か寄り添い止められる人がいたならばと悲しくなる。

でもそんな3人それぞれに理解を示し、憎悪だけで終わらせない峰雄という人物はやっぱりカッコイイ。

飯山裕太氏という人物と出会ってから今日までで。
ゆったー本人としゃべった時間<榎本さんと台詞で会話した時間、であり。

それって、とても贅沢な関係なのではないかと思う。
話し合いやほかの話をほぼすることもなく
すべては自主稽古含む稽古・本番の
物語の中で出逢い、物語の中で”会話”をし、物語の中で感情が生まれて、物語の中で心から信頼することが出来た。

そしてそれが正しい形だったんだと思う。
だって峰雄さんという人物は大切なことは絶対にすべて言葉にして伝えてくれる人だから。

峰雄さんの発する言葉が全てで。
それらはすべて舞台上に存在した。

 

だから、峰雄さんとのシーン、すべてが好きです。

限りある時間は互いにすべて作品に注いだであろう3週間。
そんなゆったーとで本当によかった。

わたしが峰雄さんの好きなところをつらつら書いたら
もちろん2時間15分ぶんすべて語れるのだけれど
それはみなさんの中に
峰雄さんの好きなところを沢山みつけてほしいから
我慢しよう。
でもシャツからのぞく肘下が好きだな。機捜にいたんだな、男のひとだなってなんかすごく思った。

演じるにあたり
ゲームをプレイしたり
台本と向き合っていても考えたんだけど
「いつ好きになったんだろう?」って考えるのはやっぱり愚問だ。
好きになるときって、いつの間にか好きになってる。

もう好きになっていて、振り返ったときに気づくものなんだな。

なんて考えたりもした。

きっと二人でいるときよりも
家でひとりになったときに考えちゃうんだ。きっと、そう。

 

閑話休題。乙女ゲームの主人公というもの。

舞台Collar×Malice榎本峰雄編の星野市香役花奈澪

こう見えて、否、みなさんご存じの通り。
私はなぜか幼少期からギャルゲーをたしなんで生きていた人間で、もちろんその流れで乙女ゲームも存分に通って生きてきた。

だからこそ今回『Collar×Malice』のヒロイン星野市香を演じると決まったうえで、それは余計に緊張感のあるものだった。

いにしえの化石ゲーマーとして主人公は無個性派として鍛えられてきたので(ときめきメモリアルやみつめてナイト、コルダなど)ゲームをプレイしていても脳内でヒロイン(主人公)の台詞が声で再生したり立体的な人物になることはなく、脳内でテキストとして再生されるように、体が出来上がってしまっているのだ。

だからゲームをプレイしていても、この役を自分が演じるという感覚にはならなかった。

演じるという感覚になれたのは台本を覚え、稽古場でセリフを発するようになってから。
そこからは、ことあるたびにゲームをプレイし返して、市香の心の声を丁寧にすくい上げようとつとめた。

星野市香はプレイヤーの、観劇者の感情という存在になれたらそれが一番嬉しいと思っていたが
自分の中の星野市香は結果として生まれてしまった

榎本さんと、そしてアドニスと向き合いたいと。
日に日に溢れる感情の立体化は止められなかった。

星野市香は居た。
まっすぐで、がむしゃらで。
だれかの役に立ちたい、ただそれだけで。

星野市香という人物を好きになってもらえたらそれはもっともっと幸せだ。

星野市香という人物。

舞台「カラーマリス」榎本峰雄編

この世にはいろいろなお仕事がある中で
舞台という媒体は、一番少人数にしか届かない。
テレビを通して一晩で最大一億人にとどけられる可能性のあるアニメやドラマなどとは違う。
劇場に来た人たちとの間だけにひっそり紡がれる世界。

声優さんや、映像のお仕事。
この世にはいろんな表現のお仕事があるけれど。
舞台でその役を演じられることは、贅沢さで言えばナンバーワンだと思う。

肌で、目で、耳で、口で、鼻で。すべてでその役の人生を体感できる。

だって一度幕があがったら
2時間とまることなく、人生をまるっと体験できる。
途中で「はいカット~、もう一回」や「ラストシーンからやりましょう」なんて存在しない。
出会いからエンディングまで、「生きる」ことができる。贅沢だ。

にしても今回は、すごすぎた。
2時間15分。
いちどたりとも、息をつく間がない。
外は九月でまだ連日25℃以上をたたき出していたが、舞台の上は12月だ。
真冬のコートの保温性たるや。
人生ではじめて舞台上で「あれ、おなかすいた」と思った。
エネルギーとの闘いであった。

袖に入った瞬間いつもスタッフさんが3人がかりで。
数秒の間にコートを着せて髪を整えてくれて、
口に水のストローを放り込まれては
「スマホ持った?!マフラー!首輪隠してる?!手帳もった?つぎ手錠!」と段取りを整えてくださった。
舞台上に居なかった時間はきっとトータルで5分無いと思う。
その袖にいる5分間も、スタッフさんの優しさや笑顔、ふと見るキャストの横顔。宝物だ

 

星野市香という人間。

市香が昔。
落とし物の財布を届けたときに、持ち主だったおじさんから
「あなたのやさしさに助けられた人がいることを忘れないで。その心を忘れないでください。」
と言われたことがきっかけで警察官を目指したというエピソードがすごく好きで

このエピソードはずっと自分の心の中に残っていて。

ひとつの行動が、誰かを救う。
だれかのふとした言葉が、誰かを救う。

そして、心を忘れないでいること

「榎本峰雄編の星野市香を演じさせて頂いたこと」
「この座組にもらったもの」
は、おじさんの言葉のように、今後のわたしの人生をあったかく導くものになると思います。

そして今回の舞台が
観劇してくださった皆様の心に
なにかひとつ届けることができたのなら

生きてきてよかった、役者をやってきてよかった、と思います。

 

幕があいて。

ひとつだけずっと。
チケット発売直後に緊急事態宣言の延長があり50%ほどでやむを得ず売り止めとなってしまった日が多く。

『榎本峰雄という私が世界一大好きな人物に、満席の客席を見せてあげたかったな』という少しの心残りがあった。

でも千秋楽の日。
そこにはたくさんのお客様だけでなく画面越しからも応援してくださるお客様の気持ちも一緒に、確実に、客席にあって。
満席の愛であふれていた
最後のスタンディングオベーションをみたとき。
会場いっぱいの皆様のあったかいお気持ちに、思わず涙がこぼれてしまった。

私たちはやってよかったんだ、と。
この景色を見られて本当によかったと。
心の底から感動致しました。

どんなゲームにも負けない、最高のハッピーエンドでした。

舞台カラマリ榎本峰雄/星野市香

打ち上げ等も無い今の時代。

でもきっと、無いから。
より一層、舞台での思いが心に残り続ける。

信じ合ったみんなの強さはきっと永遠にあの新宿を中心に残り続ける。

そんな気がします。

カラマリを愛する皆様と。
わたしたちを愛してくれる皆さまと。
過ごした宝物の公演、生涯忘れません!

たくさんの応援、本当にありがとうございました。
見えない困難もまだまだ沢山あると思います。
日常を取り戻すにはまだ時間がかかるかもしれない。

それでもみんなで乗り越えたら
きっともっと素敵な景色がみられると信じて。
みつけた心を忘れないで。

いっしょに乗り越えていきましょう。
これからも素敵をたくさんみつけていきましょう。

白石編、柳編も魅せてください。必ず。待っています。

 

対等にぶつかり合える相手で。
その背中は大きくて。

榎本峰雄という人に出会い。
榎本峰雄という人を好きになった。

そしてこれからも、ずっと好きで居続けます。

舞台カラマリ榎本峰雄/星野市香

舞台カラマリ榎本峰雄/星野市香

2021年9月

舞台『Collar×Malice -榎本峰雄編&笹塚尊編-』

榎本峰雄編/星野市香役 花奈澪

 

舞台『Collar×Malice -榎本峰雄編&笹塚尊編-』
アーカイブ配信のお知らせ!舞台カラーマリス
特設サイト:http://collarxmalice2.mixch.tv/■アーカイブ視聴期間
2021年9月16日(木)12:00〜9月26日(日)23:59
配信チケットを一度ご購入いただきますと、アーカイブ配信期間中は何度でもご視聴いただけます。■出演者
富田 翔(柳 愛時役)・須賀京介(岡崎 契役)・飯山裕太(榎本峰雄役)・伊崎龍次郎(笹塚 尊役)・松田 岳(白石景之役)/平井雄基(冴木弓弦役)・栗原大河(吉成秀明役)・福地教光(森丘 創役)・吉村和紘(峰岸誠司役)・添田翔太(望田政信役)・松村芽久未(桜川 寿役)・深澤大河(星野香月役)・山中翔太(瀬良あきと役)・後藤 望(一色康弘役)・釣本 南(御國れい役)[※映像出演]・田中しげ美(佐竹建造役)[榎本峰雄編]・木戸衣吹(HANA役)[榎本峰雄編]・足立英昭(緒方智樹役)[榎本峰雄編]・三原大樹(相田 学役)[笹塚尊編]/花奈 澪(星野市香役)[榎本峰雄編]・小泉萌香(星野市香役)[笹塚尊編]/奥山静紀・飯山真衣・宮川 連・福田圭佑・来夢・髙橋 嵐・松本麻梨香・藤代麗衣■配信チケット
舞台『Collar×Malice -榎本峰雄編-』配信チケット:4,500円(税込)
舞台『Collar×Malice -笹塚尊編-』配信チケット:4,500円(税込)
舞台『Collar×Malice -榎本峰雄編&笹塚尊編-』配信チケット:8,500円(税込)
※[榎本峰雄編][笹塚尊編]両ルート通し視聴チケット■配信チケット特典
特典①富田 翔、須賀京介、飯山裕太、伊崎龍次郎、松田 岳、5人によるお礼動画
特典②前説・後説アナウンス音源(前説:全3種、後説:全2種)
前説:富田 翔、須賀京介、飯山裕太、伊崎龍次郎、松田 岳
後説:飯山裕太、伊崎龍次郎
(劇場にて使用している前説・後説と同一の音源です。)
※『-榎本峰雄編-』『-笹塚尊編-』『-榎本峰雄編&笹塚尊編-』、どのチケットを購入していただいても、特典は同一です。
※既にご購入いただいているお客様にも特典をお送りいたします。
※特典はミクチャ運営事務局(mixch_liveview_info@donuts.ne.jp)よりメールにて送付いたします。
事前にドメイン設定や迷惑メール設定をご確認いただきますようお願いいたします。
【特典送付日程】
・9月17日(金)までにご購入の方→9月22日(水)までに送付
・9月18日(土)までにご購入の方→9月29日(水)までに送付 ※アーカイブ終了後になりますがご了承ください■チケット販売期間
2021年9月5日(日)12:00〜9月26日(日)18:59■配信プラットフォーム
ミクチャ

 

 

コメント

  1. ししと より:

    最初は緊急事態宣言が出ている中で観に行くのを迷っていました。劇場に観に行けなかった人には申し訳ないないですが、観に行ってよかったと思いました。 公演をしてくれる全ての関係者の方々に感謝する上でお客の僕らも会話しないなどのマナーをしなけれければならないと。

    ヒロインということで本当に出ない時間がなかったですね。出ていない数分間でそんなことがあったんですね、水分補給とか、次のシーンの小道具だったり、大変ですね。
    2時間15分ほぼ動きっぱなし、エネルギーの消費激しいですよね。本当にお疲れ様でした。
    ほぼ全員とのやりとりがあり、ステキな会話シーンでしたが、やはり峰雄さんのとのやりとりが素敵過ぎました。ニヤニヤしてました笑 泣きもありましたが笑

    正義って自分が思っている事が正義でも、相手にとって悪である だから難しい問題だなと考えました。

    コメントなのに長く書くのはあれなほでこの辺で笑
    感想苦手系です笑
    本当にお疲れ様でした!
    無事に駆け抜け終わってよかったです!

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