劇団6番シード #シュリクラ の公演のこと

「ボイルド・シュリンプ&クラブ」

劇団6番シード「シュリクラ」公演

GWタイミングで開催された
劇団6番シード「ボイルド・シュリンプ&クラブ」

ボクラ団義さんの「誤人」ボッブジャックさんの「ノッキン・オン・ヘブンズドア」ぶりということで、2016年ぶりのシアターKASSAIでの舞台出演となった。

舞台装置は箱とパネルのみ。
KASSAIとは思えない人数の出演者が
所せましと駆け巡り
ぐるぐるぐるぐると場面転換していく

一言で、演劇だな~という感想

宇田川美樹さんと花奈澪

なにかと因縁のある役を演じがちな花奈澪と宇田川美樹さん

 

何度目かの緊急事態宣言下での開催となった本公演は客席最前部にアクリルパネルを設置し、客席もひとつずつまるで個室、いやコックピットのようにビニールで区切られていた。

小劇場という空間では
キャスト・客席の距離も近くなる分
最大限の配慮や対策に取り組む6番シードさんはすごいなと思う。
稽古中から、徹底した対策を行ってきた。
1時間ごとに、次亜塩なんとか水やマイペットで小道具や椅子を全員でふくもんだから、手がカッピカピのカッサカサだ。

昔は、”マスクつけたまま稽古をするなんて態度悪い”
と言われてきたのに、まさかこんな時代になるとは、だ。

カーテンコールの挨拶では
「このような状況下での演劇」「エンタメの存続」に悲観する声が多かったが、
わたしは逆にアクリルパネルがあることで、
逆に絵がきれいにみえたし、一層テレビドラマ感がでるので好きだった。
それに個室のごとく区切られた観劇空間は快適だと思ってしまった。

それくらい、観客ファーストな劇団さんであると思う。

劇団6番シード「シュリクラ」

床に散らばるカラフルな場ミリたち。4作品分の場面転換の位置が記録されているからすごい量に。

 

パネルと四角い箱だけで。
イタリアンレストランから、池袋の路上、牢屋の中まで。
本当にその景色に見えてくる。

それは役者の想像力と演出の力とみてくださるお客様の想像力が一体化した瞬間。

小劇場ならではの贅沢な空間だと思う。

椎名亜音さん、藤堂瞬さん

主役のエビカニコンビ(左から椎名亜音さん、藤堂瞬さん)

古畑任三郎のように、はじめから犯人がわかった状態でスタートする
(なんならツイッターやHPで犯人役と最初に言われている笑)
ミステリーコメディ。

主役であるエビカニコンビのお二人の熱量というか。
演劇愛というか。
そういうものをまざまざと浴びた公演であった。
ほかの出演者さまも全員。
ただただ、演劇が好きなんだろうな。と。
もう、それだけ。ただそれだけ。

そして、お客様も、演劇が、この空間が好きなんだな。と。
毎日そんな風に思う舞台でした。

劇団6番シード「シュリクラ」情報屋チーム

通称「情報屋チーム」とエビカニさん。

劇団6番シード「シュリクラ」

リョウと蟹子。無線傍受中?

花奈澪さんが演じたのは
池袋の情報屋さんらしいリョウという女。

偽造パスポートを不法滞在者に売りつけたり(?)
弁護士になりすまして警察潜入したり(?)
カレーが食べたかったり。

自由にのらりくらりとテキパキ生きる、そんな人でした。

話の本筋には絡まないが
謎解き説明担当のようなポジション。

なので大きな感情がある役ではなかったが、
エビカニの奮闘や
池袋の愉快な住民の
犯人たちのなんとも言えない哀愁に

いつもひとり、微笑んでさらりと消えていく
そんな人だった。

舞川みやこ、花奈澪

舞川みやこ。やる気のないビジネス接客をするメイド姿は秀逸であった。

 

Aチームに出演していた舞川みやことは
過去何年何作品も同じ舞台に出演するも、毎回絡むことがなく同じシーンにすら出演しない。

とツイッターで嘆いていたところ、
演出の松本さんが一気公演の日に新シーンを作ってくれたのも思い出です笑

これにて無事、共演6回目くらいにして、はじめてちゃんと共演しましたね!

彼女は不思議な魅力の人間で、
「わたしがわたしが」を一切しない人間なんですよね。
冷静にふわふわしている。そんな人だから居心地がいいし大好き。

いつかがっつり、一緒になにかやってみたいなぁ。

劇団6番シード「シュリクラ」

突然の新シーンを稽古する朝の風景

劇団6番シード「シュリクラ」差し入れシステム

差し入れシステムにより掲載されるのし紙

今回はじめて「差し入れシステム」というものがある舞台でした。

応援してくださる皆様から、堂々と差し入れをもらうのは
なんだか少し申し訳ないというか気が引けるというか
そんな気持ちがあったんですけれども

 

 

実際稽古や公演がはじまって
飛花隊(ファンコミュニティの名前)名義や
それぞれの皆様からの差し入れを頂いて

それがどんどん壁に貼られていく様子は、とてもうれしかったです。
毎日その前を通り、みなさんのことを思い浮かべながら舞台に向かってました。

一番うれしかったのは
なみおのファンは、男の人も女の人も半々ずつくらいいてすごいね!
と言ってもらったこと。

そうなんです。
びっくりするくらい男女関係ないんですよね笑。
老若男女問わずみんな仲良し。
これは自慢です。

差し入れをくださった
・飛花隊有志一同様(お弁当)
・NMOD様(お弁当)
・炊事係様
・天様
・三男 渓五様
・煮豆の欠片様
・みもず様
・やや様
・はるまみ様
・キティ野郎様
・あやぱぱちゃん様

ありがとうございました!
(漏れや、ツイッターなどに掲載できていない皆様いたらごめんなさい><)

みなさんの応援のお気持ち、
素直にうれしかったです!!!!

コーラからクッキー、休息時間までなんでもござれでしたね!笑

久しぶりに、お手紙やプレゼントも受け取れる劇場でしたので
みなさまからの愛もたくさん受け取りました。
大事に使ってます!

 

あとがき

佐藤真代、福嶋仁美

真代さん、仁美さん。もう10年以上前からお世話になっているS&Sのお二人!

 

コロナ禍が、とか、ご時世だからとか
必要以上に謙遜したり、悲劇の立場に立つのは
私は好きではありません。

中止や延期もたくさん見てきたし、経験した。
制限下での開催にどれほど苦労がいるかもわかる。

それでも。

それでもいくら演劇が、エンタメが、とは言っても。医療や衣食住に勝つものではないと私は思っています。

みんなが元気で、みんながごはんを食べて、病院にいけて。

それがあったうえで成り立つものが”娯楽”だと思っています。
だから絶対に、今も医療や研究最前線で戦うみなさんへの感謝を忘れるべきではない。

”生きがい”にはなりえるが、”生きるため”のものではない。
それでも、人生に”生きがい”はなくてはならない。

それがエンタメだと。

私は思っています。

これはいつかのカーテンコールで言ったけれど
江戸時代だって戦時中だって
芸術や芸能が禁止された時代なんて今まで世界中にたくさんあったはず。
それでも2021年の今も、我々が芸術や芸能を生きがいにできるのは
やめなかった人たちがいるからだと思ってる。

6番シードさんには、
きっとこれからもずーーーーーっと。
みんながおじいちゃんおばあちゃんになっても。

すてきな演劇を作っていってほしいな、と思います。
演劇が”生きがい”のみなさんの、そして演劇人たちのために。

 

土屋さんの劇団卒業ニュースには、
びっくりしたが
いまおもえばカーテンコールでのあつい涙には
そんな想いもこもっていたのかなと思うと。土屋さん素敵だな。
卒業公演です!とか何も言わずスーッと。
かっこいいのに可愛い土屋さんのこれからの活躍をお祈りしています。

美樹さんが、ルド女のときにお弁当をくれた話は、また今度…笑♡

文:花奈澪

コメント

タイトルとURLをコピーしました