あれから一ヶ月。終幕②

ブログの続きはまた書きます。
なんて言って。結構だいぶ書いたところで筆が止まってしまって。

1ヶ月が経ちました。

月初のラジオの締めで坂東に
「まとめるとジェイドバインどうだった?」と聞かれた私は

一言で言うなら何も残らなかったです。当時自分にやれることは全部やりました
と答えたのが全てで。
そう、空っぽだから書けませんでした。

この1ヶ月、走馬灯のごとくいろんな人に会っていろんな人とご飯を食べてお酒も飲みました。

1ヶ月毎日、同じ人とご飯を食べたことは無いのではないでしょうか。
ジェイドバインでお世話になった関係者を含めて、友人。知人。いろんな人に会い続けた結果、またもう一段階、空っぽになった気がします(笑)

でも基本的に空っぽでいた方がいいんだと思います。
固定観念や綺麗事、憎悪で埋まってるより、空っぽの方が100倍良い!

そしてここからまた、人生を埋めていけたらいいなと思います。

あ、長いので、お好きなところだけお読みあそばしていただけたら幸いです。

ありがとうキャスト!

そうですよ、これを書こうとして、いや書いて途中で終わってたやつですよ。
よくある、各キャストへのお礼の文章。これを書かなきゃねって思って止まってた。
ジェイドバイン期間、たったひとつのことしか考えてなかったんですよ。
「出演してくださるキャスト・関わるスタッフ・お客様にこのコンテンツに参加してよかったと思ってもらう」ということ。

貴重な数ヶ月をこの作品に預けてくれたキャストのみんなに、輝いてほしい。
ただそれだけを願って生きてきた。

誰かのために生きる10ヶ月は幸せでした。

自分のために生きられない人間なんすよね、私。

ファンのみんなにもわたしたちにも、好きなテイストや苦手なタイプの作品とか、千差万別あるじゃないですか。
でもキャストが輝くことだけは作品に左右されない絶対のものだから。

さ、誰から書く?
思いついた人から行こう。

音楽劇「ジェイド・バイン」ダドリー

トラちゃん。深澤大河。

ジェイドバインの中で最多共演回数。さらに輝いていてくれたらいいなと願う人ナンバーワン。ジェイドバインという作品でも、どれだけ役を膨らませてくれるのですかという。活き活きしてたじゃないですか、ダドリー。あ、思い出したらなんか感動してきた。すごいよトラちゃんは。自分のやるべきことを誰より把握してそれを20倍に魅せてくれる。自信を持って、これからもずっと活き活きしててほしいな。優しい人。ますます輝け!!!!ずっと輝いていてくれ!!絶対、ずっと見てる!!

音楽劇「ジェイド・バイン」オリヴァー

そりヴァー。反橋宗一郎。

そうでした、警察3人それぞれをいじってる写真を撮ったんでした。
反さんとも出会って長いんですけれども。なんだろう。ああ、この人はすごいな、キチンと正しく年月を重ねてきたのだなと。反さんは圧倒的に「魅せ方」が上手い。角度、仕草。それはもはや類い稀な才能。稽古中からずっと「役者主導でやることのすごさ」をずっと応援してくれて。「これからもやるべきだ」と言ってくれた人。人をよく見ていて、男女問わず魅了するその人間性。素敵すぎる人です。「今回のキャスト最高だね!俺、自分の警察チームの、瑞己も大河も大好きだ!」って稽古中言ってたのがなんだかすごく嬉しかった。

音楽劇「ジェイド・バイン」エルモア

千葉てゃ。千葉瑞己。

縁あって知り合って。千葉モアが最終稽古の後に「俺ほんと、この作品出れてよかったっす!」て号泣していたのはジェイドバイン最強胸熱エピソード。出会う関係者が全員「千葉くん、あの子はいい子だね」と口を揃えて言う。そのまっすぐな人間性ゆえに、きっと知らぬ間に背負うこと、出せない心も多いのだと思う。でも絶対いつか、それが全て合わさって最高の表現者になれる。背負える人間は、強い人。もっとたくさんの人に見つかっちゃえ。そしてそれも全部背負って、高みへ行って。そしてまた再会したい。未来が楽しみ。そんな千葉モア。

 

音楽劇「ジェイド・バイン」ロータスとルピナス

松村龍之介、志村玲於。ロールピは正義。

ロータス。のすちゃん。のすちゃんとも長い年月を経ての再会でした。すっごいな。普段はスンッとふにゃふにゃしてるのに、ひとたび舞台に立つ上での責任感。2幕のソロの前もずっと楽屋の廊下でスマホで音源を聴いて練習して確認してから出てたよね。キチンと責任を負って、上を目指す。簡単なようで、実はみんながこっそりサボっていることをサボらない。すごく立派な人。別現場でしばらく稽古に来れない間も、あのEXPOの振りつけを独学だけで完璧に入れてきてた。そういう人が沢山この世界にいたらいい。

ルピナス。れお。脚本を書いていたら、個人的趣味でどんどんルピナスに哲学的な部分が増えていったのですが、ぽろっと「僕はいいよ、戦争に行くわけじゃあるまいし」てすごく大事なセリフですよねって言ってくれて「えっ、そう!……カット候補だったんだけど個人的に絶対残したくて残したセリフなんだよね」とか話したのが稽古場で最初の思い出。なんだろう、感性と誰より深い心、そして吸収力がある人。その感性がゆえに、ルピナスが多くの人に刺さったのだと思う。ルピナスに乗せたものに一番に気付いて、誰よりも自分の役について深く考えてくれた人。絶対スパドラのライブ行く。

【閑話休題①】

2幕の最初の、この二人(ロータス・ルピナス)がゴミ捨てをしているシーンが実は一番好きだったというか花奈澪のアンチイズムである。誰かの幸せや平穏の裏には、食事のゴミを捨ててる人がいる。とか。ステムのシーンも同じく。この物語のアンドロイドの発展やキラキラの裏には、アンドロイドに職を奪われた人もきっといる。(あのステムのシーンの物乞いたちはその描写ですね)とか。そんな見えないところにも、誰かちゃんと気づいてよって願いを密かに散りばめていました。

音楽劇「ジェイド・バイン」キース

キース is ZAQ is 音楽

ざ・く・お!自慢の友人〜誰にでも親切で丁寧〜〜〜♪ギャハハと笑うZAQの笑い声にどれだけ現場が和んでいたか(笑)愛おしい。でも実は誰よりも繊細に深くいろんなところを見ていて。キースの役についても死ぬほど考えて深めてくれていたよね。ZAQのピアノと歌声、その音楽性が、この作品を豊かに”美しく”してくれた。ザクと友達になれたことがジェイドバインをやってよかったことの一つ。これからも沢山ザクの生み出す音楽、言葉。聴いていたい。ありがとう出会ってくれて!!

音楽劇「ジェイド・バイン」ウィリアム

ハリソン兄弟ッ 君沢ユウキ/谷佳樹

音楽劇「ジェイド・バイン」オーキッド

君沢さんは、他人に”与えられる”人。普通の役者がサラッと流してしまいそうなところを、深めて深めて与えてくれる。リリーとの夫婦らしさとか、ダリアとの幼馴染感とか。セリフではないところ、言葉ではないところを膨らませてリアリティを高めてくれる相手。太陽みたいな存在。ものすごく初期から、オーキッドのイメージは君沢さん。と決まっていた方。他者への労いも、常に欠かさない。「頑張ってるね」「すごいね」って、言葉にするのが普通はちょっと迷っちゃうことを当たり前のように声をかけられる人。君さんみたいになろう。

谷やん。君さんとはまた真逆。己の中で煮詰めて煮詰めて。ずっと「歌は無理。苦手。」って言ってたのに稽古始まって「おい!上手いやん!!!」ってなった(笑)周りを明るくさせる天才。真面目でストイックゆえに、突っ走ることもあるけれど、私には眩しくみえる。谷やんは決して我慢しない。私は谷やんの舞台上の姿が好きだ。とても華やかで、思わず目を引く。それはきっとその場の空気を全て吸収できるタイプの役者だから。舞台上にじゃなくて、”その世界に居る”ことができる人。いつかなんかガッツリ芝居してみたい相手だなぁ、谷やん。

音楽劇「ジェイド・バイン」ケナフたち

沖野晃司という男

沖ぽむケナぽむ。頭が上がらないなぁこの人にはっていう方。沖野さんが普段やらないような役なのですがケナフは。でもなんか見たかったというか。居て欲しかったと言うか、このポジションで。”普通の人”が印象に残る作品ってすごい作品なんだと思うんですよ。上手くなきゃ出来ないんですよ、普通の役なんて。その圧倒的実力と。殺陣師としても圧倒的クリエイティブを与えてくれました。頭が上がらない。誰よりも鋭く、誰よりも場を掌握している。なのに自ら、華やかに明るくおどけている。いやはや敵わん!!本当にありがとうございました。

音楽劇「ジェイド・バイン」ステム杉本新

杉本新という才能

ステム。しらす。新くん。新くんとの出会いも、最高のプレゼントですね。吸引力がダイソン。稽古・本番と進むにつれて、見せ方・居方、全てが1分1秒ずつレベルアップしていく。そのストイックさを、本人はきっとストイックと思わずサラッとやってのける。心が少年みたいにキラキラしてる。その魂のキラキラが歌声に変換される。ずーっと舞台袖にいて舞台上を見ていて、「今日の歌、最高だった」て私含めていろんなキャストに声かけてくれて。あ、伝えるってすごくいいことなんだな、すごく嬉しいなって思わせてくれた。最高の魂の持ち主です。

 

【閑話休題②】

台本を書き進める上で、何かもう少し登場人物が欲しいなと思って、自発的にキャラクターを増やさせて頂いたのがこの二人、ステムとケナフでした。ケナフに関しては、なんか普通の人が欲しいなぁ……オーキッド死後、あの会社のひとがおらんなぁ……ウィリアムは一人で事件の方ひたすら追ってて欲しいしなぁ誰か社員欲しいな……明るい人欲しいな……。ステムは、陰や裏側の人間がきちんと物語にいて欲しかったなぁと。ダリアイベリスは悪役にしないというオーダーがあったので。ぱっと見ただの飄々としてる人ですが。自分の手で違法パーツを与えたアンドロイドを戦わせてデータ取って。今回の作品のデータは全て彼が集めたものですから、この物語をどうするかは彼に掛かっているんでしょうね。

音楽劇「ジェイド・バイン」5IN

5IN

左から、かつひろ、ちから、たかや、じゅーきち、まさみち。

一番、パフォーマーが良かったって言われるのが嬉しいんです。宝塚時代私たちはセリフもない通行人、名も無い貴族。あらゆるものを身体だけで何年も芝居し続けてきた。でも、名も無い役は誰よりも自由なんだ。だって自分で決めていいんだから。どんな人間なのか。どんな性格の通行人なのか。
今回彼らは街の人になり、EXPOのパフォーマーになり、時には誰かの感情になり、誰かの景色になり。彼らはダンサーではなく、キチンと演技者だった。この作品のクオリティ部分を大きく担ったのは間違いなく彼らだ。最高のパフォーマンスを本当にありがとう。これからも活躍して欲しい!!

 

 

音楽劇「ジェイド・バイン」村田充、杉本新、花奈澪

音楽劇「ジェイド・バイン」村田充、花奈澪

音楽劇「ジェイド・バイン」イベリス村田充

親愛なる村田充さん。

イベリス村田充さん。存在が芸術品みたいな人。繊細なガラスのようで、少年誌のようで、お笑い芸人のようで、大らかな大人でありながら、シニカルさもありつつ、暗い森の奥のような。面白い。面白い人。前に何かのブログにも書いたのですが、私はいわゆる相手役という立場の方となるべくオフのコミュニケーションを取らない性質で。それは、セリフや舞台上で交わす感情が全てであり、それを一番大切にしたいから。舞台上が全てだと思ってるから。だから同じように、本番を最高点に持ってくるミツさんとの作品作りがとっても面白くて自分にとって一番ありがたい作り方で。些細な目線、仕草。それらが全てダリア・イベリスの関係値を表すものであり。たくさん支えて頂きました。

イベリス・ダリアのスピンオフが見たいとたくさん言って頂けたのも嬉しかったですね。

愛してると言わせるダリアも。
愛してると言わされているイベリスも。

本当はきっと

愛してるとイベリスに言いたくて
愛してるとダリアに言われたかった

それだけなのかもしれません

自分で作った(改造した)ツクリモノに愛されること。願っていたはずなのに、自分でやったのに、虚しくて。時に恥ずかしくて。でもそれだけが自分を満たしてくれていた。永遠に満たされないと思っていたのに本当はずっと満たされてた。ダリアはとても人間らしい女の子でした。

ジェイドの旧式、ロータスたちの新型の間にいる自分をどう表現するかとなったときに、動きを減らして無駄を無くすことを表現として選ばれたミツさん。だからこそ、見る側はちょっとした目線の動きにも集中してしまう。すごいお方です。

終わった後、「私たちはよきパートナーでした」と言葉をくださったのが嬉しかったです。
我々に課せられたミッションはクリア出来たかな。良かった。

 

音楽劇「ジェイド・バイン」アフタートークメンバー

音楽劇「ジェイド・バイン」前川優希/花奈澪

前川優希っていうやつ

前川が座長として、太陽のようにあのくしゃっと笑った笑顔で座組をひとまとめにして。みんなが前川優希を愛していた。だから安心して「表は頼むわ、裏は全部やってやる」そんな気持ちでいた。私には、彼が主演を背負うこの作品を”成功させなければいけない”というただ一心しかなかった。作品を円滑にはこぶためならなんでも頷くさ。

私、前川優希って才能があると思うんです。

例えばあの人形のような動きも、そこらへんの人がやったらただの表現のエゴになって終わる。それがあんなに美しく出来てしまうのは彼のセンス。感性。

ジェイドに詩的な存在性を持たせたのは確実に
前川の心の4分の1くらいにある無邪気な詩性に影響されたんだと思う。

いっぱい学んでこれからも本物の表現者、目指してみてほしい

お願いだから、これからも必ず羽ばたけよ。
まじでぜってえ落ちんなよ。

言われなくても分かってると答えるでしょうが
これは、君が5〜6年来の友人と評する花奈澪さんという友人からのただ唯一の願いです。

そして最後に。リリー・黒崎真音様。

あなたの夢、叶えられたでしょうか?

言葉が、歌に、舞台に、景色に、音に、想い出になったように。

あなたが作ろうと言った
音楽劇「ジェイド・バイン」
60人以上。
いやパンフレットに掲載のない現場スタッフを含めたらきっと70人以上もの人間が関わって、そこに数千人のお客様が関わって、こうして幕が降りられたんです。すごいことだね。本当に。

キャッチコピーに出てきた「その目に見えぬところ」君には何が見えた?

その目に見えぬところには多くの方の献身的な愛と心が詰まっていたこと。
多くの方がこの作品を真摯に創り上げてくれたこと。
作品を好きになってくれたこと。

リリーの周りにもたくさんの人がいたね。

素敵だったね。

私は、これからもそのことを絶対忘れず、生きていこうと思いました。

 

さいごに。

そう。

最後にこれだけ記したいと思います。

とある、衣装の現場スタッフの女の子が
千穐楽の朝、私のところに来てくれて

「私、今回で“この業界に入って良かった”とはじめて思えました。コロナ禍で就職活動をはじめて、親にも、エンタメ業界なんてコロナで衰退していくんだからやめろと言われて。でも、入って良かったです。作品に出会えて良かった。だからありがとうございます」と真っ直ぐ話してくれました。

そのお話が胸に突き刺さって。
その話をしてくれたことを、その子の上司の衣装部に話したら

「なみおさん、スタッフにもね、伝わるんだよ。袖から見てるだけのスタッフにも伝わるんだよ、舞台上の良い空気って。

と言ってくれた言葉が

またさらに胸に突き刺さりました。

 

報われたな。

そっか、ちゃんと伝わるんだ。

 

そう思いました。

 

舞台というものは、出演者の何倍ものスタッフがそれを支えてくれて出来ています。
ぜひ皆様にもふとした時でいいので、そのスタッフ一人一人にも感謝と労いの心を差し向けてほしいな。
スタッフってかっこいいんだよ。
クリエイターってかっこいいんだよ。

 

目に見えぬことは美しいことだけではない。
歯をぎりりと食いしばって、飲み込むこともある。
嫌なことも気づかず素通りしたふりなんかもして。
でも、日常の美しさに感動したりもして。

いろんな目に見えないものに囲まれてみんな生きてるよね。

みんな、頑張って生きてる。

みんな、一生懸命生きてる。

生きてるだけで偉いんだ。

 

今回で、いろんな目に見えないもの。

私は謳歌しました。

出演者19名、そして関わってくれた全ての皆様に。

どうか美しい瞬間が人生に多々訪れますように。

そしてまた、その美しい瞬間を一緒に過ごせますように。

 

ジェイドバインを通して皆様と出会えたことが私の宝です。

 

ありったけの愛を込めて。

ありがとうございました。

 

 

あ。

ランダム缶バッジだけめっちゃ在庫あるらしいです。(笑)

作りすぎたらしい(笑)

良かったら、なみおさんへのクリスマスプレゼントにいかがですか?

 

なみおより

 

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