あなたは何をクレプト、されましたか。

『クレプトキング 月を見ていたかった兎』
が全16回の公演を経て無事に幕をおろしました。

ほぼ全公演、満席のご来場。
誠にありがとうございました。

2時間30分にわたる大ボリュームの作品。
映画だったらアベンジャーズ インフィニティ・ウォーだぞ。
それを舞台だから一発、生で一本撮りするくらいのボリュームです。

コロナが発生してからここ1年半。
なるべく稽古も時間を区切り、早めに終わろうみたいな風潮になっているなか
ひさしぶりに毎日13時から22時まで稽古場に居っぱなしの日々。
シーンを作れども作れども、また次のシーンが現れる。
普通のスピードでやったら3時間以上ありそうなボリュームをぎゅぎゅっと凝縮した作品でした。

来栖國枝。

クレキン月兎/来栖國枝邏卒教練学校

来栖くるくる来栖。

作・演出の宮城さんとは趣味嗜好、中の人の性格というか本質がわりと似ていると思っている。
だからわたし本人の本質が猪突猛進正義の熱血主人公タイプではないことは百も承知であろうに、よくぞこの役を書いたな?なんでやねんとすら思っていた。

彼女をときメモに例えるなら、1のヒロイン藤崎詩織に2のヒロイン陽ノ下光を掛けたような、ド直球ヒロインである。

自分はしっかりしていて、なんでもできると思っていても
世間からみたらまだまだ子供で。
大人たちの手のひらの上にいることに気づかなかったりして。

でも単純にマニキュア塗られて内緒話してテンション上がっちゃったりして。

そこから急に距離感近くなっちゃったりして。

クレキン月兎/ゲネプロ写真

クレキン月兎/来栖國枝

でも案外泣き虫だし。

可愛い奴なんだ、来栖って女は。

『猪突猛進正義の熱血主人公』なんて思ってたけど、そうじゃなかった。
ただの普通の女の子なんだね。

 

応援と熱狂と界隈

公演中は連日ツイッターの #クレキン月兎 の感想の盛り上がりを眺めて。

出演者とお客様と、まるで一緒に盛り上げるその空気がすごかったな。

幕があいてから、連日お席の予約が伸びどんどん完売し。
とてもうれしかったです。

一席あいたお席におかれるタイムフレームシートも本当にありがとう。
メッセージ、うれしかったです。届く写真、待っててね。

 

エンタメ活劇

 

クレキン月兎/来栖と于賀谷

千秋楽が終わったあとに、于賀谷演じる鵜飼主水氏と話していて解釈が一致したことは

このような作品でこのような役を演じるうえで必要なのは「説得力だよなぁということ。

有無を言わさぬ、なんか、納得してしまうような説得力。
それを分解すると、存在感とか、立ち方とか、いろんなものになるんだろうけど。

狂った役と、どストレートすぎる役の説得力バトル。

クレキン月兎/ゲネプロ写真

どんな作品でも、
みんなこのキャラが好き!っていうのがあると思うけれど

主人公っていう存在はそれらを卓越した存在なんだと思う。

いかに”必要”であるかというか。
いなければいけない、というか。
ワンピースのルフィみたいな。孫悟空みたいな。

必要なのはエネルギーと説得力で。

その圧倒的エネルギーで皆を引っ張ってくださいました
座長のよっちさん(平山佳延さん)のエネルギーは本当にすごかったです。

大きい声で怒られると、自動的に泣いちゃうみたいな感じあるじゃないですか。
あれと一緒。
すごいエネルギーでガンッとくるから自動的に感情が動いちゃうかんじ。

2時間30分の作品だけど、
全シーンがダイジェストみたいにハイライトな作品で。
だれかひとりでも落ちてしまったり、置いて行かれてしまったらたぶん成り立たないんだけれども。
それを誰も置いていかせない、圧倒的進む力、みたいな。

クレキン月兎/ゲネプロ写真

本当にありがとうございました。

クレキン月兎/邏卒隊

邏卒隊。

同じチームだから必然的に稽古中から、稽古も待ち時間も共に過ごすことが多くなる。
「わたしたちほんとバラバラだよね!シーン中、目を合わせようとしても、目合わないもんね!」なんて話していたけれど、それがよかったんだと思う。
バラバラなのを認め合えるって、すてきな関係だと思うの。

わかはちゃんも、しょーりも、石部さんも。
昔から知っているけれどやっとちゃんと共演できたね、という3人。
そんな3人と生きられたのはすごく楽しかった。

そして何よりも、タガタメから一緒の香音がバディでよかった(笑)
タガタメで鍛えられた日替わり能力をうっかり発揮してしまったもんね。
ついついやっちゃいましたね。

 

花影香音/花奈澪

人間って、陽の部分も陰の部分もあると思うんだけど、
香音とは陰も陽もお互いナチュラルにさらけ出して、なお理解し合える相手
すず、ありがとう・・・すずはいい男に出会って幸せになってくれ頼む。

 

この作品で一番好きだった台詞は、みんなが未来に帰る前に記憶を消そう!ってなったときのレンの

「目指すものになる由縁は、すでにその者の中にある。」
「因果の力に身をゆだねれば、おのずとなるべき道になる。」

みたいな台詞。

こうなりたい、ああなりたい!
もいいけれど。

『自ずと成る。』

そんな生き方が好きだし、したいと思っている自分には、とても好きな台詞でした。
宮城さんやるぅ~~。やっぱり性格似てるぅ~。座右の銘にしたいな!

クレキン月兎/ゲネプロ画像花奈澪

「正しい人を助けるために、正しいことができる場所にいければそれでいいの(来栖國枝)」

青春と、大人になった未来と。

同じ役のふたつの時間軸を演じられるのは
とても楽しく役者冥利に尽きるものでありました。

久しぶりにアクションもたくさんあって。
門野翔さんに首を落とされ、鵜飼主水さんに首を絞められ。
肩首バッキバキなのも

不全戒蹴りまくって
股関節バッキバキなのも

宝物の思い出。

念願の門野翔さんとはついに舞台上で会うことができましたが一方的に正義の台詞を投げつけて終わったので
次は、対等に会話できる相手でお芝居したいですね!笑

好きな人たち沢山いるけど書ききれないからこれにて!
また、VIPPERスレや配信でちょこちょこ話しますね。

 

沢山の応援心からありがとうございました!

成るべき道で、また会おうね!

 

あれ?

このマニキュア、なんだっけ。

 

思い出せないな。

 

来栖國枝役 花奈澪

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